08年11月21日
2025年を見据えて取り組むべき、介護の課題や今後のビジョンを話し合う「安心と希望の介護ビジョン第7回」が11月20日に開催され、「安心と希望の介護ビジョン」の取りまとめが行われた。
前回の会合で厚労省側より提示された「たたき台」について交わされた意見を基に修正された案が提示され、それについて意見交換がなされた。特に、前回議論となった医療行為が可能な「療養介護士」(仮称)に関しては、様々な意見が交わされつつも最終的には「必要な研修を受けた介護従事者が、医師や看護師との連携の下に、施設入所者に対して、経管栄養や喀痰吸引を安全性が確保される範囲内で行うことができる仕組みの整備」と表現が改められた。
会議の終盤、舛添厚生労働大臣が姿を見せ、「2025年を一つの大きなターゲットしてこれから着実に実現していきたい」と締めくくった。
前回、新たな役割として提案された「コミュニティ・ワークコーディネーター」(仮称)は、地域の高齢者や住民の抱える課題と自らの力を活かしたい高齢者の能力を結びつけ、高齢者が主体的・積極的に参画するコミュニティ・ビジネスや互助事業などを育成する「キーパーソン」とし、意欲ある高齢者や住民を地域から募集し、先進的事例などのノウハウを提供していくこととなった。また、「日本語名にしたほうが良いのではないか」という意見を取り入れ、最終的には「コミュニティ・ワークコーディネーター(高齢者地域活動推進者)」(仮称)と改められた。
地域包括支援センターについては、高齢者やその家族に困ったことがあった場合の最初の「総合相談窓口」として位置付けを明確化し、その機能の強化を図っていくこととなった。
また、在宅生活を支援するサービスの基盤整備においては、なじみのある関係にある事業者からのサービス提供等により、住み慣れた地域で24時間365日安心して生活できるようにすることがうたわれた。
医療と介護の連携強化では、介護従事者が、将来的に医師や看護師と連携しながら、必要な医療行為が行えるように資格のあり方を検討するとしながらも、当面は、研修を受けた介護従事者が、医師や看護師との連携の下に、施設入所者に対して、経管栄養や喀痰吸引を安全性が確保される範囲内で行える仕組みを整備することとされた。また、医療関係者と介護関係者によるチーム・ケアの推進、地域における最適な医療・介護を議論するための「地域ケア推進会議」(仮称)の起ち上げも提示された。
認知症対策の充実では、成年後見人制度について触れられ、弁護士や社会福祉士、司法書士等の専門職や。高齢者の権利擁護のための相談支援を行っている団体等が協力・連携して活用を促進することが提示された。
介護従事者の職場環境整備においては、効率的な事業経営を行うために参考となる経営モデルの作成・提示や、介護の質・介護従事者の技能評価に資するようなアウトカム指標のあり方について検討することなどが盛り込まれた。
会合の最後に舛添厚生労働大臣が姿を見せ、「2025年を一つの大きなターゲットしてこれから着実に実現していきたい。医療ビジョンを具体化している状況にあるが、医療と介護のシームレス化、両方あって始めて国民の生活を守れる。介護ビジョンは医療ビジョンと対を成すものとして非常に重く受け止めており、今後は具体化に全力を挙げたい。経済情勢も厳しく財源予算の獲得も困難だが、こういう時だからこそ国民に安心を与える。将来に希望を与えるということがセーフティネットとなり、経済の活性化にもつながり国民の活力を生み出す」と締めくくった。
「安心と希望の介護ビジョン」は、本会合で議論された意見等をもとに提示された案を一部修正し、舛添厚生労働大臣に提出・報告されることとなる。
第7回安心と希望の介護ビジョン資料(平成20年11月20日開催)(WAM-NET)
