介護と福祉の情報サイト ふくしじん

ニュース

「介護報酬改定率3%は根拠に乏しい」―社会保障審議会介護給付費分科会(第58回)

08年11月19日

「介護報酬改定率3%は根拠に乏しい」―社会保障審議会介護給付費分科会(第58回)

 厚労省は11月14日、社会保障審議会介護給付費分科会の第58回を開催した。

 今回の介護給付費分科会では、冒頭から10月30日の「新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議」で決定された3%の介護報酬引き上げについての意見が多く出された。

 政府主導で示された3%の介護報酬引き上げについては、介護給付費分科会としても寝耳に水の出来事であり、存在意義が問われる形となっていた。会議の冒頭で、大森座長は厚労省側に対し、「この分科会は介護報酬改定についてどういった立場で議論する場か」と説明を求めた。また、大森座長は3%の改定率にも言及し、「プラス3%というのがどうして出てきたのか、3%がどうして1200億円になるのか」と質問を行った。

 これに対し厚労省側は、「分科会は政府が決定した改定率の範囲で、サービスごとの介護報酬の単位数等について政府からの諮問を受けて答申を行うものである」と答え、3%の根拠については「前回の改定を行ったのが平成18年で、それからの賃金上昇率は3年間で0.5%、物価の上昇率を勘案したとしても1%に満たない。介護従事者の処遇改善を図るために1%を上回る3%が政府によって決定された」と説明を行った。1200億円の根拠については「今回の改定によって伴う保険料の上昇分を埋めるため」と答えた。

 続いて、三上祐司委員(日本医師会常任理事)が全国老人保健施設協会と日本慢性期医療協会との連名で提出した、「次期介護報酬改定率ならびに本分科会のあり方等に関する緊急要望」を読み上げ、今回の介護報酬引き上げに関しては一定の評価をしつつも、「過去2回のマイナス改定や、社会保障費2200億円削減に対する議論も無しに示された3%引き上げ策は、決定の根拠に乏しく焼け石に水」とした。

 また、「分科会の議論の真っ最中、まったく別次元から介護報酬改定率が公然と発表され、あたかも既定事実のように報道されていることに対し、強い失望を感じる」と強い不満をあらわにした。

 山本文男委員(全国町村会会長)からも、保険料は市町村によって異なり、低いところと高いところでは負担が違うとし、介護報酬改定率3%に対する根拠ついて、各市町村が納得するような説明を行って欲しいと求めた。

関連資料

第57回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年10月30日開催)(WAM-NET)
第56回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年10月9日開催)
(WAM-NET)
第55回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年10月3日開催)(WAM-NET)
第54回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年9月25日開催)(WAM-NET)
第53回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年9月18日開催)(WAM-NET)


このページはプリント用のページです。 元のページを表示