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国民の支持を得られる介護報酬改定を - 介護給付費分科会(第56回)

08年10月09日

国民の支持を得られる介護報酬改定を - 介護給付費分科会(第56回)

 厚労省は10月9日、平成21年度の介護報酬改定に向けて行われている、社会保障審議会介護給付費分科会の第56回を開催した。

 今回事務局から提示された論点・検討項目は大きく4つに分かれる。

  1. 介護報酬の地域区分の見直しに係る論点
  2. 中山間地域等の小規模な事業所に対する加算措置に係わる検討
  3. 中山間地域等に居住するものにサービスを提供した事業所に対する加算措置に係わる検討
  4. 介護従事者のキャリアアップの仕組みについての基本的な論点

 1.においては地域区分の再検討を視野に入れるかが議論となり、地域差を勘案する費用や職員の範囲があげられた。この中で、地域差問題について「賃金実態をもっと詳細に調べた上で定めるべき」「特別区の介護報酬引き上げは必須」等、闊達な発言が交わされた。

 また、賃金基準を定めるにあたり、管理職や専門職、直接処遇職員など、どの職種までを基準範囲とするかいう点について、「現在検討資料を作成するにあたっては直接処遇職員のみを算定対象としているが、人員配置基準で配置を規定している職員も含めてはどうか」という厚労省側からの提言に対し、「サービス提供責任者やユニットリーダーなど、人員配置基準として規定はしていないものの、事実上は通知文にある「望ましい」等の表現は義務として捕らえざるを得ない」と、規定人員配置の数字ではなく、実態配置に併せた検討が強く求められた。

 2.及び3.においては特別地域加算の適用範囲再検討や、新たな枠組みの創設などがあげられたが、利用者負担を懸念する声が多くあげられた。象徴的な意見は沖藤委員の発言で、「独自の調査の中で特別地域加算が算定できるケースであっても、利用者の立場を考慮して加算を取っていない事業所もある」と、介護報酬の引き上げや加算料率を改定したとしても、利用者負担が増えてしまっては逆効果になる恐れもあることを指摘した。

 4.のキャリアアップを中心とした論点では、専門性を重視し有資格者の雇用比率向上により事業所として加算や奨励金が得られれば、職員のモチベーションアップにも繋がり、一定の効果は期待できるとする半面、資格取得や研修実施に対して、いかに自分のキャリアアップのためとはいえ、研修費の全額負担はかなり大きなものになることや、事業所としても研修期間中の人員配置に問題が生じる可能性もあるとして、配慮を求める声が上がった。

 最終答弁者となった堀田聰子社会保障審議会専門委員(東京大学社会科学研究所 特任准教授)は、「報酬改定についてはサービスの質の向上を基盤として実施し、その為には職員給与の基準点を見極める必要がある。また、キャリアアップ加算だけを見ていると新規の事業所や高い志がありながらも事業所としてのリソースが不十分なケースもあり、こういった事業所を支える仕組みが必要」と述べ、「介護報酬改定を正しく評価し、透明性を持って公表し国民の理解を得るべきである」と総括的な意見を提示、締めくくった。

 次回開催は10月30日。主として在宅系サービスについての検討が行われる予定。

関連資料

第56回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年10月9日開催)(WAM-NET)
第55回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年10月3日開催)(WAM-NET)
第54回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年9月25日開催)(WAM-NET)
第53回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成20年9月18日開催)(WAM-NET)

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