

ではコンピュータを利用するとどのぐらい記録の作成にかかる時間を削減できるのでしょうか。実際に考えてみたいと思います。
例えば、一人の職員さんが一人の利用者さんについて特記事項を経過記録に記載し、申し送りをするために勤務日誌にも経過記録と同じ特記事項を記載するという最もシンプルな場合を考えてみましょう。少し速く文字を書ける職員さんであれば、だいたい1分間に60文字ぐらいの速度だと思います。遅めの方だと1分間に40文字ぐらいの方もいるかもしれません。1分60文字とするとちょうど1秒1文字で考えやすいので、少し速いと思いますが仮に1秒間に1文字書けると考えましょう。一人の利用者さんの特記事項が何文字ぐらいかは事業所によって違うと思いますが、ここも考えやすいように特記事項は60文字としましょう。
仮に経過記録と勤務日誌に全く同じ文章を書くとすれば、手書きとコンピュータの差はおおむね勤務日誌におなじ特記事項を書く1分ということになります。もちろん、この差は職員さんが担当する利用者さんが増えれば増えるほど、一人の利用者さんについて書く量が増えれば増えるほど、同じ内容を記載する書類が増えれば増えるほど開いていきます。
60文字の分量がどの程度かというと、以下の文章1文がだいたい60文字ぐらいです。
「16時に検温したところ体温37.0度のため経過観察。17時に再度検温したところ38.0度に上昇したため三点クーリング実施。」
どうでしょう。よくある文章ぐらいならこれで間に合うと思いますが、ちょっと説明を付け加えるとあっという間に200字ぐらいにはなってしまいます。一人の介護職員さんが1日に1,200字を書くとすると、先ほどの前提でも一人20分。1日の勤務者が20人だとすると24,000字で400分。400分というと6時間以上ですから、記録作成の時間の無駄をなくすことができれば、実は職員さんがもう一人いるのと同じぐらい介護サービスの提供量を増やすことができます。